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50話 エリゼの傷と、レイニーの怒りの覚醒

작가: みみっく
last update 최신 업데이트: 2025-12-10 06:00:26

「大人しく殺されなさい……」

 ダイモンが冷たく囁くように言うと、エリゼが抵抗し動いたからか頬から血がにじみ出てきた。その赤い雫は、レイニーの視界を真っ赤に染めた。

 エリゼを傷つけられたという、怒りの感情が溢れ出し、レイニーはエリゼに改めて完全遮断の結界を張った。この結界はこの世界と切り離されているので周りで何が起きようが影響を受けない。だが、何が起きているのか見えず、聞こえず、閉じ込められた感じになってしまう。空間の中に外の風景を投影してストレス軽減をしておいた。レイニーの心には、エリゼへの深い愛情と、ダイモンへの激しい怒りが渦巻いていた。

 エリゼの傷は回復魔法が効かないと言っていたので、レイニーのスキルのイメージで治療した。回復ではなく、イメージで元の状態を復元した感じで、治すのとは違う。エリゼの頬の傷は、みるみるうちに消えていった。

 さて、コイツをどうしよう……? 大切な仲間のエリゼを傷付けた大罪人を。背負われていたあーちゃんが、いつの間にか擬態を解き、ディアブロの姿で現れていた。その漆黒の翼は、闇の中で静かに広がる。

「主よ……どうか怒りをお沈め下さい」

 現れたディアブロが怯えた様子で跪いてきた。その声は、震え、レイニーの放つ怒りのオーラに怯えているようだ。

「なんでさ? 仲間を傷付けられて許せるわけ無いでしょ。なに? 同族が殺されるのが嫌なわけ?」

 レイニーは、ムスッとした表情をしてディアブロに言った。俺の仲間が傷つけられて許せっていうの? それで、自分の同族はゆるせって? あり得ないしっ。レイニーの言葉には、ディアブロへの不満と、エリゼへの強い庇護欲が込められている。

「あんなヤツは、どうでもいいですが……。その力で攻撃は……マズイです。辺りが滅びます」

 ん!? あ、同族をかばう気はないらしい。『あんなヤツ』とか言ってるし。ディアブロの言葉に、レイニーは少し驚いた。

「ん? ディアブロには関係ないことじゃないの? 不死なんだろ?」

「……相手が悪魔なので、魂ごと消し去るおつもりかと……完全に私も巻き込まれます」

「あぁ〜なるほどね、巻き込まれるね〜」

 レイニーは、ディアブロの言葉に納得した。

♢ダイモンの恐怖

「貴様ら……最上位の悪魔の擬態をしてもバレバレだぞ! 私を怯えさせる作戦か! まあ最上位の悪魔が、その様に威圧感が無いわけがないがな! それに……この様な場所にいるわけもないだろ!」

 ダイモンは、ディアブロを偽物だと決めつけ、嘲笑うように言い放った。その声には、余裕と、僅かな傲慢さが混じっている。

「貴様こそ、黙っていろ……消すぞ……!!」

 ディアブロがそう言うと、抑えていた悪魔のオーラを解き放ち、禍々しい声でダイモンに言うと、ダイモンは力が抜けたようにその場に座り込んだ。その声は、地獄の底から響くような重低音で、空間を震わせる。

「な、なぜ……貴方様が……この様な場所に……!?」

 ダイモンの顔は、恐怖に引きつり、その瞳は、ディアブロの放つ圧倒的なオーラに釘付けになっている。ディアブロがオーラを解き放ったので、辺りは紫色の邪悪な悪魔の高密度のオーラの霧に包まれピキピキと音が聞こえる。間違いなく最上位の悪魔で公爵様だと確信をした。その場にいるだけで、空気が重く、息苦しくなるほどの威圧感だ。

 ダイモンは、状況が分からなすぎる。確かなことは目の前に公爵級の悪魔が人間に主と言っていること、自分が最悪な状況にいることは間違いないと理解した。その思考は、恐怖と混乱で麻痺しそうになっている。

「最上位の公爵様が恐れている!? なにを? 弱みでも握っているのか? ……ダメだ、公爵様のオーラでまともに考えられん……。さすが公爵様だな……? ん!? 公爵様のオーラ以上に禍々しく殺意を放つオーラが……何者なのだ、これはヤバい、ヤバ過ぎるぞ……」

 ダイモンがブツブツと呟き顔色を悪くしていた。その顔は、極度の恐怖で青ざめ、額には冷や汗がにじんでいる。

♢レイニーの黒炎球

「はい、これなら良いでしょ! うっさいんだからぁ……」

 レイニーが静かに手のひらを上に向けた。その表情は、先ほどの怒りの面影を残しつつも、どこか冷徹な笑みを浮かべている。

 その手のひらに集まった闇のエネルギーが凝縮され、一瞬のうちに特大の黒炎球がドンと現れた。その黒炎球はまるで生き物のように揺らめき、深い闇から禍々しい光を放つ。黒炎の炎は暗闇の中で踊り、周囲の温度を一気に引き下げるような冷たい風が吹き始める。

 黒炎球からはまるで魂を引き裂くような恐怖が溢れ出し、見る者の心に深く刻み込まれる。黒炎の揺らめきは不安定でありながらも力強く、禍々しいエネルギーが周囲に広がり、誰もがその場から逃げ出したくなるような圧倒的な威圧感を放っている。その空間は、レイニーの放つ力によって歪んでいるかのようだ。

 レイニーの顔には冷酷な微笑が浮かび、深紅の瞳に変わりさらに鋭く輝いた。

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